ソフロロジー ~sophrologie~

 

「ソフロロジー」

以前から言葉は聞いたことがあったけれど、どんなものなのか詳しくは知らず、

出産法の一つかと思っていた。

 

妊娠してから、やはり「ソフロロジー出産」というのを良く聞くようになり

少し調べてみた。

 

 

すると、ソフロロジーとは1960年、スペイン人精神神経科医

アルフォンソ・カイセド博士によって創案された学問だということが分かった。

デカルト以来発展分化した自然科学の分野に最後に残った「心の問題」を東洋の行の文化で

埋め合わせようとする学問で(もっと簡単に言えば西洋の文化と東洋の文化を結びつけようと

する学問)、意識の段階を研究し、精神と身体の平安と安定、調和を得るための方法を

学ぶものだという。

 

現在この学問は、産婦人科のみならず、精神科、循環器科、消化器科、歯科など、

医学の諸分野において活用されているそうだ。

 

ソフロロジー法のポイントは、心からのリラックス。

リラックスを得るための訓練法には、東洋的な訓練手技(日本の禅)や、

インドのヨガの技法が加わっているという。

 

 

そして出産法としては、お産の世界では未だに取り入れられていなかった

イメージトレーニングにより効果が加わるとのこと。

 

 

このイメージトレーニングは、ソフロロジー法ではソフロリミナルな意識段階といわれる、

いわば眠りに入る間際の意識段階で行うイメージトレーニングで、その効果は

数ヶ月に亘り大脳皮質下に記憶され、お産の現場で素晴らしい効果をもたらすそうだ。

 

なので、出産時には、エクササイズや、イメージトレーニング等、練習、訓練した事は、

その場できれいに忘れ去ってしまって結構だ、と。

 

 

これは、ボイストレーニングで生徒さんに良く言っていることだった。

「ステージ上では何も考えなくていいから。思い切り楽しく。

正しいトレーニングを重ねていれば、体は必ず応えてくれるから、それを信じて」

 

 

そしてソフロロジーでは、物事をすべて良い方に良い方にと考え、とらえ、

すべて建設的な思考の方向へと進めていくという。

 

これは、単なるポジティブシンキングではなく、もっともっと精神性の深いものだろう。

 

これによって、お産に対する不安や恐怖心を消し去り、

そして陣痛を「赤ちゃんを生み出すために最も大切なエネルギー」として、

出産を「赤ちゃんとお母さんとが行う最初の共同作業」として受けとめ

(陣痛、分娩のソフロ受容)陣痛を乗り越え、赤ちゃんの誕生を迎えるのだ。

 

その現場は、とぎすまされた感覚の下で進みとても静かで、感激に満ちているという。

 

 

これは正に「YOGA」だと思った。

 

 

毎日お腹の小さな生命と一緒に行っているヨガや、そこから自然と湧き出てくるイメージ。

出産が近づくにつれ、イメージも陣痛、出産時のことなど、より具体化してきていた。

 

そして、妊娠が分かった時からそうなのだが、

妊娠・出産に対して何一つ、不安に思ったり、怖いと思ったことはない。

 

もちろん、陣痛は痛いだろう。

出産は苦しいこともあるだろう。

 

 

でも、本当に、本当に、楽しみなのである。

 

 

そして、今までたくさんの時間・費用・労力を費やし勉強を重ね、習得してきたことが

自分の中で統合され、一つの力として使える時が来たのがうれしくもある。

 

自然に産みたい、とずっと思っていた。

これが、私にとっての「自然」であることが明確になった。

 

 

 

産院には「ソフロロジー出産で」という意向は伝えておこうと思う。

いざ分娩台の上で

「ヒッヒッフー、はい、いきんで!」

と言われても困ってしまうので。